Ryo

リョウ~

「映画看板」の魅力に魅せられて

 

幼少の頃から、絵を書くことが大好きだったRyo。ティッシュの箱の裏などに、いろんな物の模写をしていて、親にほめられていたのをよく覚えていると話す。小学生の頃には西日本の読書感想画の大会で成績も残したそうだが、そのためか、夢を書く欄にはいつも「絵描きさん」と書いていたという。

 

とはいえ、小中高と美術にまつわる部活に入っていたわけでもないRyo。高校時代に経験したTV制作会社のバイトで舞台製作を間近に見る機会があり、久しぶりに美術の面白さを思い出したという。高校卒業後は専門学校でグラフィックを学び、先生方の推薦で二科展にも出展。見事、受賞を果たしている。

 

 

舞台製作の影響もあり、看板関係の仕事を始めたRyo。しばらくして、人生1番の転機が訪れる。それは現在の奥様と行ったある美術展でのこと。Ryoは隣のブースで開催されていたある映画看板職人の個展に、強烈な興味を持つ。

 

 

映画看板とは、ちょっと昔の時代、映画館の入口に、上映作品を告知するために手描きで描かれた看板のこと。今の時代で言うと、デジタルで作られたポスターということになるだろうか。映画看板職人と呼ばれる職の人々が各映画館それぞれに、手描きで描いていた。映画スターの迫力ある表情が魅力的であった。

 

 

なんとなく、その個展のブースに入ったRyo。手描きのポスターなどが展示されており、手描きの迫力・大きさに飲み込まれたという。入り口に置いてあった個展の感想を書くハガキ。小さく書いてあった「映画看板の創作活動の支援を一緒にやりませんか?」という文字をみて、迷うことなく、すぐに連絡をしたという。

 

※(上画像)師匠が描いた映画看板「ティファニーで朝食を」

 

 

個展をされていたのは、熊本在中、83歳の映画看板の職人の方。すぐにお目にかかることができたが、初めてあったその場で「書いてみるか?」と誘われる。Ryoの師匠は、面白く、頼もしい方だったようだ。B1サイズの大きなキャンバスに、バットマンのポスターを真似して描いた。その後も熊本各地に出向き、スクリーンに無料で映画を流すイベントの手描き広告を描く手伝いをする中で、経験を積んでいった。とはいうものの、今の時代、映画看板で食べていくことはできない。

 

そんな師匠も数年前に亡くなられたという。師匠の息子さんによると、死ぬ直前まで師匠は絵を描かれていたそうだ。そして、師匠が大切にしていた筆などの道具は、息子さんの好意でRyoが受けついだ。

 

 

 

 

4年前に結婚をしたRyo。最近子供が生まれたという。人生の節目、これから先を考えたとき、自分も師匠のような生き方がしたいと思うようになっていった。そんな時、我々ippinworksと出会い、映画看板のような手描きの作品づくりに本気で取り組むきっかけができたという。うれしい限りだ。

 

 

そして、家族のため、師匠のために息子をモチーフに書き下ろし作品が「October Sky」。未来を想像し、希望を感じる作品だ。

 

 

 

Ryoの今後の夢。それは「映画看板」から受けついたアイデンティティーを活かし、自分にしかできない表現を見つけていくこと。手描きを愛するRyoの作品を、我々だけでなく家族と師匠が楽しみにしているだろう。

 

 

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二科展 入選(10回)
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Ryoプロフィール写真

Ryo / Profile

熊本市在住。「映画看板」の魅力に魅せられ、手描きにこだわった作品作りを行う画家・デザイナー

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