絵は描いたこともなく、全く興味もなかったTakuyaがアートの世界に入り込んだきっかけは、数年前、Facebookに記載されていた「ゼンタングル」について書かれた記事を読んだことに始まる。
「ゼンタングル」とは、日本語の「禅(ぜん)」と、絡まるという意味の英語「タングル」を組み合わせた造語であり、 “ヨガ”や“瞑想”のように、日常生活で取り入れるリラクゼーションの方法として、2004年にアメリカで考案されたアメリカ発祥のアートの手法だ。
幼い頃から植物が大好きで、植物博士になりたかったTakuyaは、ゼンタングルのパターンアートに植物の細胞や模様に通じるものを感じた。自分にもできるかもと思い、なんとなく描き、軽い気持ちでFacebookに写真を投稿してみたところ、予想を超えるいいね!をもらえ、さらに、直接会いたいと連絡してきた方もいたという。
ここから、Takuyaの植物アートへの世界が広がった。
「ゼンタングル」はアメリカで商標登録がされているので、そのまま真似をした作品づくりはできない。Takuyaは植物モチーフにこだわることで、彼独自のオリジナルのパターンアートを作り上げている。そのアート手法を「Green Doodle Art」という造語で命名した。Doodleとは落書きという意味。だから植物好きの自分はGreeen/植物 Doodler/落書きする人になろうという思いからだとか。
いいね!がもらえたことで作品作りが楽しくなってきたTakuyaは、定期的にFacebookに投稿を続けていた。彼の「Green Doodle Art」はSNSや口コミで広がり、地域のお店や、経営者の事務所にも飾られるようになっていったという。ふと部屋に入った父が、感動し、地元新聞社のコミュニティ面に投稿までしてしまったという微笑ましいエピソードも。「Green Doodle Art」はますます注目度がアップしている。
Takuyaの作品は2面性を持っている。1つは単色のペンで描いた、シンプルかつ力強い作風。もう1つは淡い色をのせた、自然への愛情が伝わるやさしい作風。女性ファンが多いようだ。ippinworksでは前者の単色の作風を取り入れている。
とにかく緻密で繊細で、愛情あふれる世界が広がる「Green Doodle Art」。植物好きのTakuyaの尊敬の対象は、どこまでも自然だという。
そして、今後目指すものはアートの交流から産まれる新しい世界。ippinworksなどを通じ多くのアーティストたちと交流することで、自分の作品に刺激を与え続けたいと言う。植物博士を目指していたTakuyaらしい、真面目でまっすぐな目標だ。